\ 初上陸 /モロッコ旅行体験談

ずっと憧れていたモロッコ。

今回は北アフリカのモロッコに、実際にいってきた私たちのリアルな体験をシェアします!

Writing by SouqJamil代表 Atuko

▪旅のきっかけ!なぜモロッコ??

モロッコ雑貨SouqJamilの構想から立ち上げまで、2年。

モロッコにいつか絶対行こう!と話しつつ、先延ばしになっていました。

ずっと行きたかったモロッコ旅行を決意したきっかけは、ノリと勢い(笑)

モロッコは遠いし、飛行機代も高いし(円高ピークの時期だった)、長期の休みもとれないし……と言い訳ばかり。

航空券代を調べるつもりでしたが、モロッコへの憧れを話しているうちに、気が付いたら勢いでチケットを予約していました。

初日からびっくりやらかし事件

モロッコまではパリでのトランジット含めて25時間!

飛行機に乗り慣れていない&日本語しか話せない&下調べ不足のふたりにとって、フランスのシャルルドゴール空港での乗り換えは難解でした。

乗り換え時間が1時間半の便にしたばっかりにトランジット失敗し、まんまとモロッコマラケシュ行きの飛行機に乗り遅れるはめに。

フランス人の空港スタッフに「なんで乗り遅れたの?」と尋ねられ、「雨で出発が遅れたから」と自分たちに過失がない(ほんとは空港内で迷子になっていた)と必死でアピールをすることで、次の便の予約をとってもらえることに。

さらに憐みの心なのか、空港内で使える食事券付き。フランス人のやさしさに救われました。

▪マラケシュ メナラ空港に到着!!

到着初日は、マラケシュでの滞在先リヤド(ホテル)に到着した後、リヤドのオーナーさんにスーク(市場)の観光ガイドをしてもらい、夕食はモロッコ料理を楽しむ計画でした。

しかし!

なんと到着直後にYumeちゃんが発熱でダウン。なので、リヤド到着早々、ベッドで休むことに。

一方わたしはわたしで疲労困憊でしたが、せっかく遠くまで頑張って来たのだからと、夕方からスークを案内してもらいました。

正直移動で疲れすぎて、このときのスーク観光の記憶はありません。

ただ、ジャマ・エル・フナ広場のレストランのテラスから見えたサンセットの風景は、本当に言葉を失う美しさでした。

屋台の白い煙が夕焼けに溶けて、オレンジとピンクと紫が混ざったグラデーションの空にプラチナ色に光る月と星。

広場のにぎやかなざわめきに混ざって聞こえるアザーンの声がまさに異国情緒。ただ眺めているだけなのに、「ああ、モロッコにいるんだ」という実感がようやく感じられました。この風景は一生忘れられません。

怪我の功名!モロッコでの癒し時間

初日のトラブルを挽回すべく、翌日は早起きして本格的にスーク観光へ出発!とは、ならず、まずはYumeちゃんの風邪を治そうと、薬を買うための薬局を探します。

モロッコの薬局は、基本的に緑地の白い文字で「PHARMACY」という英語の看板がでています。しかも街中に何件もあるので本当に助かります。

ターバンを頭にまいた白衣のやさしそうな店員さん(薬剤師さん?)に、身振り手振りとつたない英語で症状を伝えます。

モロッコでの風邪薬はシロップ薬が定番のようで、すすめられた薬を買ってリヤドに戻ります。

リヤドは、外の喧騒が嘘みたいに静かな空間なので、疲れも病も癒してくれる素敵な場所です。予定していた観光はできませんでしたが、オーナーさんやスタッフさんが体調を気遣ってくれたあたたかい言葉のおかげで、リヤドで過ごした時間こそが忘れられない思い出になりました。

異国の縁日?!ジャマ・エル・フナ広場を満喫

ようやくYumeちゃんの風邪が回復したので、マラケシュ観光へ!

細い路地が迷路のように入り組んだスークを抜けて町の中心地から歩くこと約10分。Googleマップを頼りに、スマホをグルグル回転させたり、人が多く流れていく方向に身を任せたりしながら歩いていくと、急に目の前がぱっと開けて、ようやくフナ広場にたどり着きました。

マラケシュのフナ広場は、昼間はただの広場ですが、夕暮れになるとまるで別の世界のようになります。徐々にぽつぽつと屋台が現れ、気づけばあっという間に活気あふれる“夜の街”に早変わり。

立ちのぼる煙、スパイスの香り、人々のざわめき。にぎやかでちょっと雑多なその空気に、私はなぜか日本の夏祭りを思い出しました。

もちろん、ここで出会う料理や人たちはまったく異国のもの。

でも、あの独特の熱気や、どこか懐かしい雰囲気には、思わずなつかしさを感じるような感覚があります。


フナ広場は、もともと市場として栄え、かつては処刑場として使われていたという歴史もあるそうです。

そんな背景があるとは思えないほど、今はたくさんの笑顔と声がパワフルに満ちていて、時間の流れと人の営みの強さを感じます。

屋台には、羊の串焼きや揚げ物、モロッコ名物のタジン、フレッシュジュースなど、食欲をそそるものがずらり。

いきつけの日本のアフリカ料理レストランのマスターから「絶対食べたほうがいい!」と聞いていたエスカルゴをようやく発見!

見た目はちゃんとカタツムリなので、最初は少し勇気がいりますが、エスカルゴのしっかりとした出汁とスパイスがきいたスープは、体にじんわり染みわたるような深い味わいです。

人の多さや、少し強めの呼び込みに圧倒される場面もありましたが、それすらも含めて、今、ここでしか味わえないリアルに生きている空気を感じることができる場所です。

▪サハラ砂漠ツアー

マラケシュから次の目的地、サハラ砂漠へ。

モロッコといえばやっぱりサハラ、ですよね。あの広い広い砂の世界を、この目で見てみたいとずっと思っていました。
モロッコの主要な都市からは、砂漠行きのバスツアーがいくつも出ています。
わたしたちは、マラケシュのリヤドオーナーお墨付きのマラケシュ発の2泊3日のツアーに参加しました。
マラケシュのにぎやかな街を離れ、アトラス山脈を越えたり、ベルベルの村や渓谷を巡ったり、景色がどんどん赤茶色に変わっていきます。そしていよいよ完全にどこまでも続く砂丘、ぽつんと立つオアシスの木々、遠くに見えるラクダのシルエット…だんだんと「アラビアンナイト」の世界に入り込んだような気分に。砂漠の入口に着いてからは、ラクダに乗ってテントサイトまで移動します。

ゆらゆらと揺れる背中に揺られて進むのは、なんとも風情がある…と思いきや、

意外にも腰にずっしりと負担がかかる乗り心地で、乗りはじめて10分ほどで「これを何時間も?」と驚いてしまいました。

昔のアラブの商人たちは、本当にこれで長距離を旅していたのだと思うと、乗り物のある現代に生まれてありがたいと思いました。


砂漠で過ごす夜は、まさに物語の一場面のよう。灯りのない夜空には、星がこぼれ落ちそうなくらい広がっていて、、、とは残念ながらなりません。この夜の天気は曇り、しかも強い砂嵐のため外にいるだけで全身が砂まみれとなったので、テント内のベッドでゆっくり休みました。
ここでもまた、昔の人は大変だなあと、現代に生まれてよかったと思ったのでした。
そして翌朝、まだ暗いうちに目を覚まし、砂丘の上まで登って待っていた日の出。

地平線の向こうからゆっくりと現れた太陽は、言葉にするのが難しいほど壮大で思わず息をのむほどまぶしくて、力強かった。
あの瞬間に出会えただけでも、サハラに来た意味があったな、と心から思えました。

▪まとめ 日本に帰ってきて思うこと

日本に帰ってきて、改めて思うことがあります。

空港や駅、道路に至るまで、日本はあらゆる場所に「どうすれば最短で、効率よく目的地にたどり着けるか」という工夫がたくさん施されていて、本当に便利です。

日々の暮らしの中で、無駄がなく、すべてがスムーズに進むように設計されていることを実感しました。

一方で、私たちが訪れたマラケシュやフェズのメディナ(旧市街)では、細く入り組んだ路地や、舗装されていない道も多く、荷物を運ぶのにロバが使われていたり、地図ではわからない場所にお店があったりと、不便に感じることも少なくありませんでした。

でも、その「不便さ」があるからこそ、時間の流れがゆったりと感じられたのかもしれません。

人と人との距離が近く、声をかけ合って助け合う風景の中で、少しずつ流れる時間を肌で感じることができました。

また、現地ではイスラム教の教えによりお酒が禁止されています。

そのせいか、人々の集まりにもどこか素朴さがあり、静かで落ち着いた雰囲気が漂っていたのが印象的です。

旅先では驚くことや不便に感じることもたくさんありましたが、

そこにある価値観や習慣に少しだけ触れることで、自分自身の暮らしやものの見方にも、新しい風が吹いたような気がします。

関連記事一覧